特集 「黒字だから倒産しない」と思い込んでいませんか?
キャッシュリッチになる6つのポイント
手元のキャッシュが潤沢だと、心置きなく商品開発に資金を投入できる。「Wii」「DS」といったヒット商品は、まさにキャッシュリッチのたまものといってもよい。では、キャッシュリッチになるにはどうすればよいのか。6つのポイントがある。

3 : 前受金を増やすビジネスを考える
前受金とは、対価となる財やサービスの提供前に受け取る代金を指す。例えば雑誌、新聞、DVD、CDなどの定期発行物の年間契約代金、スポーツクラブやエステティックサロン、カルチャースクール等の年会費など、長期サービスの代金を先に一括でいただくことが前受金ビジネスなのだ。キャッシュフローを改善するのに極めて効果的といえるだろう。
「当社では前受金ビジネスは関係ない」と思い込んでいないだろうか。「先に現金を払ってもいいから手に入れたい」と思えるほどの競争力のある商品やサービスがあれば、前受金ビジネスにすることができる。今のビジネスのなかから、なんとかして前受金を増やせるビジネスはできないか、アイデアを捻出してみるとよい。
4 : 買掛金の支払条件を変更する
売掛金の回収サイトと買掛金の支払サイトのバランスが崩れることから、キャッシュフローの悪化が始まる。例えば、ある商品を売ってから現金が入るまで30日かかるのに、仕入れた分の支払いは20日後だったとすると、10日間は資金が足りない状態になる。この商品を売れば売るほど、この期間のキャッシュフローは苦しくなる。
この支払いを40日後に延ばしたら、逆に10日間資金に余裕が生じる。そして、この商品を売れば売るほど手持ちのキャッシュは増えていくのだ。つまり、買掛金の支払サイトは長ければ長いほどキャッシュにゆとりが生まれる。
実際にはどのようにして支払条件を改善していくのか。既存の仕入先に対して「締め後30日の支払いを40日にしてください」と交渉できればいいが、それには細心の注意を要する。唐突に支払サイトの延長を要請したことで「キャッシュフローが苦しいのでは?」という信用不安の風聞が立ってしまう危険性があるからだ。なので、新規の仕入先に対して、買掛金の支払いを従来よりも長く設定するほうが実践しやすいだろう。
また、同じ原材料や商品を複数の先から仕入れている場合は、支払サイトが長い先から多く仕入れるようにするのも、キャッシュフローの改善につながる。工夫次第でいろいろなやり方があるのだ。
●プロフィール
(株)アックスコンサルティング代表取締役 広瀬 元義
“黒字経営を実現する会計事務所の会”FANアライアンスを主宰。また、中小企業や会計事務所の経営コンサルティング、Webコンサルティング、出版事業等を手掛けている。著書は2007年年間総合19位(「日経ビジネス」調べ)の『イン・ザ・ブラック』(あさ出版)をはじめ、多数執筆。
[2008年3月14日] トップ特集


